外資系証券会社とひと口にいっても、その生い立ちも業務も多岐にわたる。 欧州では銀行業と証券業の兼営に加え、リース業、投資顧問業など幅広い金融サービスを行うユニバーサルバンクが証券業を営んでいる場合もある。
また、米国では、コマーシャルバンクの多くが銀行持ち株会社という形態を採用し、証券会社や保険会社、カード会社や不動産会社などを子会社として擁して、証券業務への傾斜を強めている。 最近ではグローバルな大型合併が相次ぎ、証券、銀行、投信、投資顧問などの業態の切り分けはますます暖昧になりつつある。
日本においては証券取引法上、銀行と証券の兼営は禁じられているため、母体は一緒でも業態ごとに会社を設置している。 機関投資家や法人顧客を対象とするホールセール事業は、有価証券の発行市場に関わる業務と流通市場に関わる業務の2つに分けられる。
発行市場(プライマリー.マーケット)とは、資金を必要とする者が新たに発行する株式や債券などを投資家に売却して、資金を調達する場である。 流通市場(セカンダリー.マーケット)は、既に発行された株式や債券に市場性と流動性を与えるところである。
つまり、発行市場における業務とは、企業や機関投資家の株式や債券の発行を引き受け、資金調達、資産運用などの企業財務に関わる戦略を立案し、実施することを指す。 一方、流通市場の業務とは、発行された株式や債券などの有価証券の取引に関わる業務である。
さらに、取引の仲介のみを行う売買委託業務(ブローカレッジ)と、自らも資本を投下して売買を行う自己売買業務(ディーリング)とに分かれている。 米国の主要な証券会社の中で、リテール事業は行わず、ホールセール事業の発行市場業務、流通市場業務の両方をカバーしているものがIンベストメントバンク(投資銀行)と呼ばれている。
証券引受業務や企業合併.買収業務銀行、あるいは投資顧問会社をミックスしたような業務を行っている。 また、英国のビッグバン以前のマーチャントバンクは、主にホールセール事業の発行市場業務と投資顧問業務に携わるもので、Iンベストメントバンクの発行市場業務とほぼ同義と捉えてよいだろう。

ただし、米国では1933年のグラス=スティーガル法により、銀行.証券の両業務は分離されており、「バンク」というのは通称である。 Iンベストメントバンクでは、マーチャントバンクのような大口の預金の受入や貸付といった銀行業務は行っていない。

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